定置網漁とは

定置網漁とは

定置網は色々な種類の魚を獲るために海の中へ仕掛ける大きな網です。

多くの定置網は海岸から見える場所に仕掛けてあります。

海面に丸い浮き玉の列が星座のように並んでいるのを見た事がないでしょうか。

その形はさそり座やふたご座に似ており、大きいものでは野球場の数倍の広さになり、魚をとる部分だけでも50mプールが10個以上も入るような大きさにもなります。

海の中に沈んでいるので全く見えませんが、その浮き玉の列の下には袋状の網が仕掛けられています。

定置網は地形が入り組んだところや大きな湾のような、魚の通り道になる場所に仕掛けられている事が多くあります。

魚が入る仕組み

魚が入る仕組み

魚を探したり追いかけたりすることはなく、網の入り口を開いて魚が泳いでくるのを待つ漁法です。

どのようにして網に魚を導くかというと、まず道網という長い網を岸側から沖のほうにむけて張ります。

これが海の中で壁のように魚の行く手を遮ります。

道網を見た魚は沖へ向かい、運動場と言われる網に囲まれた場所に入ります。

行き場を失った魚は道に迷って泳いでいるうちに登り網と言われる傾斜をあがり、箱網に入ってしまいます。

しかし運動場の入り口から網の外へ出て行く魚もたくさんいます。

漁師さんは網をあげに行く時間まで箱網から出ずに残っていた魚をとりにいきます。

なぜ新鮮な魚がとれるの?

なぜ新鮮な魚がとれるの?

朝の数十分というわずかな時間で網の中から船にあげられる定置網の魚は、あるものは生きたまま氷で冷やされ、あるものはイケスや水槽に入れられて売られます。

最近では飲食店や消費者の要望に応えて、鮮度を保つために活け締めなどの特別な処理をする漁師さんも増えてきました。

生きたままとれる定置網であるからこそできる方法です。

魚に優しい漁法

魚に優しい漁法

定置網において魚をとりあげる部分である箱網は魚の群れが泳ぐのに十分な広さがあり、おそらく魚は自分が捕まっていることに気付いていないでしょう。

魚を網に絡ませてとる刺し網や、魚を釣りあげる延縄などの漁法とは異なり、定置網は魚に与えるストレスが少ない漁法と言えます。

どんな魚が獲れるの?

主にブリ、イワシ、イカなどをとります。

網に入って泳いでいる魚をとるので、生きたまま船にあがります。

とれた魚は近くの港で水揚げされた後、すぐに市場に出されます。

だからこそ、定置網の魚は新鮮なままみなさんの食卓に届けられます。

定置網には地域や季節によって色々な魚が入ります。